たまに心が夜叉になる時がある。
丑の刻参りの人みたいに、藁人形に一心不乱に釘を打ち付けるような。
どうしようもない気持ちが大きくなって、心の中にすきま風がビュウビュウ吹き荒れる。
ちょっとした時なら音楽を聴いて気を紛らわすが、歌詞が刺さって余計にどうしようもなくなる時がある…。
そんな時は、鼓をひたすら打ち鳴らしたい。
女王蜂の歌みたいに松明を吹き消したり、和田アキ子とm-floの歌みたいに流れ星を撃ち返したりしたい。
盗んだバイクで走り出して、窓を割っていきたい。
近所迷惑も考えないで遠吠えしたり、和太鼓をひたすらドコドコ打ち鳴らしたい。
那須与一になって、弓をよっぴいて扇を撃ち落としたい。
源氏物語のように「火危うし!」と叫びながら火のついた矢を放ちたい。
…そんな日もあるよね、微妙なお年頃だもん!
頭の中で鼓を打ちながら、掃除したりしてなんとか嵐が過ぎるのを待っている。
決して悪いことはしないぜ。